水道専門用語ガイド:総トリハロゲン

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総トリハロゲン
有機化合物や環境汚染物質に関連する化学的な概念であり、主にハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)が化合物中に3つ以上含まれることを指します。これには特に有名な物質であるポリクロリネートビフェニル(PCBs)やダイオキシンなどが含まれます。
主な総トリハロゲン化合物について簡単に説明します。

●ポリクロリネートビフェニル(PCBs)
PCBsは、塩素原子がフェニル環に複数含まれる有機化合物であり、断熱材や絶縁材料、冷却剤などで使用されていましたが環境中に広く分布しているため環境汚染の原因となり毒性が問題視されています。
●ダイオキシン
ダイオキシンは、ベンゼン環に塩素原子が3つ以上含まれる化合物で、製造過程や廃棄物の焼却、自然現象などで発生します。非常に毒性が高く環境中に存在すると環境汚染の問題となります。

総トリハロゲン化合物は、その特性や毒性から環境問題や健康への悪影響が懸念されており環境調査や規制が行われています。これらの化合物は、適切な管理と処理が求められています。

総トリハロゲンと水道水の関連性
総トリハロメタンと水道水の関連性は、水道水の安全性や健康への影響を考慮する上で極めて重要であり、総トリハロメタンとは塩素消毒により副生成される有機塩素化合物の総称であり、主にクロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの四種を指す。これらは水源に含まれるフミン質や有機物と水道水の塩素消毒剤が化学反応を起こすことで生成されるため、浄水場における水処理過程や原水の質、さらには塩素の投入量や接触時間といった消毒条件によってその生成量が大きく左右され水道水として各家庭に供給される段階で微量ながら含有していることが多く特に夏季など水温が高くなる季節では化学反応が促進されるため濃度が高くなる傾向があるが、日本の水道法では水質基準として総トリハロメタンの濃度を0.1mg/L以下と規定しており、水道事業者はこの基準を遵守すべく高度浄水処理や活性炭処理、凝集沈殿などの技術を駆使して抑制を図っており、これにより一般家庭で使用される水道水は法的な安全基準内に収まっているのが現状であるものの、総トリハロメタンは発がん性や肝臓・腎臓への慢性的な毒性が動物実験などで示唆されており長期的な摂取が人体に及ぼす影響について完全には解明されていない部分も多いため、特に乳幼児や妊婦など健康への影響を受けやすい層に対しては注意が促されている。飲用前の煮沸や浄水器の使用などを通じてさらなる濃度低減を図る家庭も増えてきており、また自治体や研究機関でもトリハロメタン生成のメカニズムや抑制策に関する研究が継続的に進められており近年ではオゾン処理や膜ろ過など新たな技術も導入され始めているが、それらの導入にはコストや運用の複雑さという課題も伴うため依然として塩素消毒が主流であり、結果として総トリハロメタンとの共存を前提とした安全管理と対策が求められている現状にあることから、総トリハロメタンと水道水は単なる消毒副生成物と供給水の関係ではなく、安全性、技術的対応、規制、健康リスク、さらには消費者意識の変化など多面的な観点から密接に関わる極めて重要な関係性にあるといえる。



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