水道専門用語ガイド:安全弁

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安全弁
流体システム(液体や気体の流れるパイプ、タンク、ボイラーなど)における過圧や過熱を防止するための装置です。これは、過度の圧力や温度が発生した場合に自動的に開いて、圧力や温度を制御する役割を果たします。安全弁の主な目的は以下の通りです。
過圧防止
システム内の圧力が設定された安全範囲を超えた場合に、安全弁が開き、過度の圧力を放出してシステムを安全な圧力範囲に保ちます。
過熱防止
システム内の温度が設定された安全範囲を超えた場合に、安全弁が開き、過熱を防止するための冷却を可能にします。

安全弁の種類にはいくつかのタイプがあります。
弁の動作タイプ
a.バルブ式安全弁; 弁を開閉して流体の通過を制御します。過圧時に開いて過圧を逃す役割を果たします。
b.ループ型安全弁; ループ状の管が過圧時に伸縮し、過圧を逃す原理で動作します。
設定圧力による分類
a.設定圧力型安全弁; あらかじめ設定された圧力を超えると作動します。
b.調整可能型安全弁; 使用状況に応じて圧力を調整できるタイプです。

安全弁は、化学プラント、発電所、ボイラー、製造工場、油田など、多くの産業分野で重要な役割を果たしており、適切な設置、保守、点検が不可欠です。また、安全弁の規制や検査は、安全規制機関によって定められ、これらを遵守することが求められます。

水道配管における安全弁とわ
水道配管における安全弁とは、水圧の異常上昇による配管や機器の損傷を防ぐために設置される重要な装置である。通常、水道配管内の圧力は一定範囲に保たれるが、急激な温度変化やポンプの誤作動、逆止弁の閉塞、使用量の急減少などによって異常な圧力上昇が発生することがある。このような状況が続くと配管の破裂や継手部分の漏水、接続機器の損傷が起こる危険性が高まるため、安全弁による圧力制御が不可欠となる。安全弁は通常、設定圧力を超えた場合に自動で開放し、過剰な水を排出することで圧力を適正範囲に戻す役割を果たす。設定圧力は使用環境や設備の仕様に応じて調整され、適切に管理されることで安定した水供給が可能となる。安全弁には主にばね式とパイロット式があり、それぞれ異なる特性を持つ。ばね式は内部にばねを組み込み、設定圧力に達すると弁が開いて圧力を逃がす仕組みであり、構造がシンプルでメンテナンスが容易である。パイロット式は補助弁を用いて主弁の開閉を制御する方式であり精密な圧力調整が可能なため、大型設備や高圧環境で用いられることが多い。安全弁の設置位置は、ポンプの出口付近や圧力タンクの上流、給水管の分岐点などが一般的であり配管全体の安全性を確保するために最適な場所が選定される。定期的な点検や清掃が行われないと安全弁の作動不良や目詰まりが発生し、異常圧力を逃がせなくなる危険がある。そのため、適切な維持管理が求められる。特に寒冷地では凍結による弁の動作不良が発生しやすいため、保温対策やヒーターの設置が推奨される。安全弁の性能を維持するためには、メーカー推奨の交換サイクルに従い経年劣化した部品の交換を適切に行うことが重要である。安全弁は単体で機能するだけでなく減圧弁や逆止弁、逃し弁と組み合わせることで、より高度な圧力制御が可能となる。特に高層建築では水圧の変動が大きく、安全弁と減圧弁を併用することで、上下階での圧力差を最小限に抑えることができる。安全弁の選定や設計には、流体力学や建築基準法などの専門知識が必要とされ適切な製品を選ぶことが水道設備全体の信頼性向上につながる。



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